令和4年6月16日に一般質問を行いました。
目次
質問内容
1.保育園・認定こども園の給食について
(1) 物価高騰の影響について
2.ウィズコロナの観光施策について
(1) 外国人観光客の受け入れ開始に際しての対応について
3.保幼小の連携について
(1) 桑名市公立版就学前共通カリキュラムの更新について
(2) 小学校でのスタートアッププログラムの実施状況について
4.カーボンニュートラルの取り組みについて
(1) 市が把握する民間部門でのカーボンニュートラルの取り組みについて
(2) 現在の市内の温室効果ガスの排出量は?
一般質問を動画でご覧ください
桑名市議会HPで公開されている本会議の動画へのリンクです。
動画は全体が1本の動画で公開されているので、質問内容と時間の目安を記載しました。
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1.保育園・認定こども園の給食について
<6:28>
2.ウィズコロナの観光施策について
<14:45>
3.保幼小の連携について
<28:30>
4.カーボンニュートラルの取り組みについて
質問と答弁
1.保育園・認定こども園の給食について
(1)物価高騰の影響について
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現在の物価高騰を受けて、県のほうでも県内の幼稚園への給食費の助成金の補正予算が上程されており、幼稚園の給食にもこの物価高騰が影響していることは明らかであると考えます。
それを考えると、いま、桑名市では給食費として保護者から4500円をいただいていますが、それでまかなえているのか、また今後賄っていける見込みなのか。
物価の高騰はまだまだ継続するという予測もあります。仮に今後4,500円を超えていくような場合にどうするのか。
現在の市内の保育園・認定こども園での物価高騰の給食への影響とその対応ついてお伺いいたします。
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議員のご指摘のとおり、就学前施設の給食につきましては、昨今の新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢などを始めとする様々な影響から、食材の高騰などにより従前と同様のものの提供が難しくなるなど、今後、次第に厳しい状況になってくると考えております。
現在、公立保育所の状況といたしましては、特に、揚げ物などに使用する油などに影響が出ており、そうした中、給食の質を低下させない範囲において、高騰している食材においては、代替可能なものに変更したり、これまでも行っておりますが、既製品を使用せず、手作りとすることで、提供する一品あたりの単価の上昇を抑えたりするなどし、栄養価を確保するとともに、これまでの水準を維持するための様々な工夫を行っているところでございます。
また、私立保育園等においては、お話を伺う中で、小麦の値上がりから、パン食を減らし、比較的安定して供給されている米食への変更を検討するなどのお声を頂いております。
また、食育の重要性を鑑みる上で、献立の作成においては、それぞれの園で創意工夫を図りながら、物価高騰に起因する給食の質や栄養価の低下を招くことがないような給食の提供に努めていただいております。これからも、子ども達に安心して給食が提供できるよう努めるとともに、コロナ禍において経済的な困窮が増える中、保護者の負担が大きくならないよう、国から示されております新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用も含めて、高騰する食材に対する、しっかりとした対策を検討して参りたいと考えておりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
2.ウィズコロナの観光施策について
(1)外国人観光客の受け入れ開始に際しての対応について
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先日6月10日から外国人観光客の受け入れが再開しました。
新型コロナによる外国人観光客が制限される前には、市内のアウトレットモール、ジャズドリーム桑名でも、週末はともかく、平日に様子を見にいくと外国人観光客ばかりで、日本人はほぼ店員さんしかいないというような状況でした。
また、桑名市の人口も14万人を切り、人口減少時代をまざまざと見せつけられているところですが、この人口減少もこういった外国人観光客の減少により、店員さんが本社や他の店舗に移動になったりして人口が流出したことで人口が減少しているのでは?との見方もあります。
つまり、本市においては外国人観光客がもたらすインバウンドの効果は、消費行動のみならず、雇用や人口維持など、様々な面で現れていたのではないかと思います。
そこで、外国人観光客の受け入れ再開に際して、官民一体となってツアーの誘致などしていくべきだと思いますが、現状どのような対応をしているのかお伺いいたします?
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私どもも議員ご指摘の通り、インバウンドによる経済効果は絶大であると感じております。
日本全体での観光需要は、コロナ前の訪日外国人旅行者数は、2019年の3,188万人、旅行消費額(日本人含む)は27.9兆円、それが昨年の訪日外国人旅行者は25万人、消費額は9.4兆円に減少し、全国の観光地、観光産業は大変厳しい状況となっています。
こうした状況の中、日本人の観光需要は戻りつつあります。今年のゴールデンウイークは全国的に移動制限が、解除された大型連休となり、市内の大型レジャー施設においても、コロナ前と比べ7割を超える程度にまで回復したと伺っております。
外国人観光客も入れば、あと一歩でコロナ前を取り戻せる勢いかと思われます。そこで、外国人観光客の受け入れ開始に際しての対応について、でございますが、まずは、先週金曜日から訪日観光客の受け入れが再開したことは喜ばしいことであります。
しかし、コロナ禍前には、ビザが不要であった68ヵ国・地域も現在は全てビザが必要となっており、まだ外国人観光客が気軽に日本に訪れることができる状況とはなっていません。国においては段階的に平時の受入れを検討していくこととしていますので、スムーズな受け入れを期待するところであります。
国においては、2030年訪日外国人旅行者数6,000万人、消費額15兆円を目指す中、2019年の消費額は4.8兆円にとどまっています。
こうした中、株式会社日本政策投資銀行と公益財団法人日本交通公社が調査した結果によると、アジア、欧米等の人々におけるコロナ禍で海外旅行をしたい国・地域として、日本が1位となりました。他国と比較して「清潔だから」との理由であります。こうした日本への旅行ニーズに加え、受け入れ可能な範囲で魅力的なコンテンツの提供といった観点から、観光庁においても、1人当たりの着地消費額100万円以上の、いわゆる高付加価値旅行者層の受入れに力を入れています。そこで、本市におきましても、こうした旅行者層の受入れが、市の魅力向上と地域経済等に寄与するとの観点から、今年度予算で実施いたします観光魅力創出事業において、「上質な宿」、「体験・コンテンツ」、「人材」といった重点項目を磨き上げたツアー造成に取り組もうとしているところでございます。
今後は、コロナ禍で疲弊した日本経済を回復させ、再び成長させていくため、地域活性化の牽引役たる観光産業がその役割を十分に果たしていくことが必要不可欠であると考えております。また、インバウンドを含む観光需要が、消費、雇用、移住、定住の好循環を生むものと感じております。引き続き、社会情勢の変化をしっかり見据えつつ、外国人観光客も含む観光ニーズを的確にとらえた取り組みを進めて参りますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます
3.保幼少の連携について
(1)就学前教育の桑名市公立版共通カリキュラムの更新について
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今年の3月に就学前教育の共通カリキュラムが更新されました。
まず今回の更新のポイントについて教えてください。また、この更新に際しては「公立版」という文言が追加されました。以前は公立私立共通だったものが、どうして公立版として公立のみが対象になったのか?
また、公立の小学校には、公立の保育園・幼稚園からだけでなく、私立の保育園や認定子ども園からも子どもたちが入学してきます。それを考えたら、カリキュラム以前に、もっと大きく捉えて、桑名市として就学前に「どういう子供になってほしいか、どうやって子供たちを育んでほしいか」というビジョンがなくてはいけないと思いますがどのようにお考えかお教えください。
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私立の幼稚園等については、桑名市の就学前教育をともに担うパートナーであり、各園の建学の精神のもとに保育・教育活動を展開しておられる存在です。
今回の共通カリキュラムの改訂にあたりましては、私立幼稚園・保育園・認定こども園へも呼びかけをさせていただきましたが、国が示している幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領で示されている内容を基に、各園の建学の精神を大切にした保育・教育を進めていきたいというご意思でございました。そのため、今回は公立版カリキュラムとして作成いたしております。
改訂のポイントとしましては、公立幼稚園・保育所がかねてより重視しております「自発的な遊びを中心として、遊びを通して子どもの成長を育む」ことを重視したカリキュラム内容となっております。
議員ご指摘の、桑名市の就学前教育ビジョンにつきましては、現状においては作成されてはございません。議員のお考えも参考に、子ども未来局とも協議して検討してまいります。
私が就学前のビジョンにこだわるのは、幼少期の子供の環境がその後の人生に大きく影響するからであり、これはカリキュラムだけの問題ではないからだと思うからです。
7人に一人と言われる子供の貧困、貧困状態にある子どもたちに、どうにかして貧困から抜け出す力を持ってほしいと思っています。貧困の連鎖を断ち切れる世の中にしたいと、そう考えています。
今、日本で貧困状態になってしまった場合、そこから抜け出すには120年〜130年、4世代かかるという試算もあります。子供たちが自分で貧困の連鎖を断ち切る力を身につけるには、現在行われているような経済的な援助はもちろんですが、乳児期から幼少期を過ごす環境の整備が最も重要であると考えています。
幼少期に読み書きそろばんといったいわゆる認知能力の基礎を教えるだけでなく、やる気や好奇心、取り組み続ける力といったいわゆる非認知能力を育むことが必要です。非認知能力は教えて身につくものではなく、環境によって育まれるものです。そのためには、多くの大人と接点を持つことで大人に対する信頼感や、家族や他人への愛着をもち、全ての子供が安全に安心して過ごせることが当たり前にしていくことが必要だと考えています。非認知能力を育めるような安全で安心できる環境を作り、子どもたちが貧困から抜け出す力を身につけることで、将来的な所得の増加やそれに伴う税収の安定、また、安定した職業につくことで結婚へのハードルもさがり出生率の増加も期待できます。
まさにいいことずくめでありますので、ぜひしっかりしたビジョンを持って、子どもたちの環境を整えていきたいと考えています。
(2)小学校でのスタートアッププログラムの現在の実施状況について
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子供たちがスムーズに小学校生活に慣れていくために、スタートアッププログラムは必須だと思いますし、現在一部の学校ではありますが、就学前施設の職員が小学校に訪問して子供たちの様子を知る機会を持てるようにされていることは承知しております。
ただ、現場からの声として、小学校に訪問しても給食の時しか教室に入れてもらえず、授業中の様子は見せてもらえない、という声もお聞きしています。
ぜひとも教育委員会には、現場の声を聞いてもらって、子供たちが安心して小学校のカリキュラムに進めるよう、取り組みの更なる改善をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
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幼児期の教育と小学校の教育は、内容と進め方が大きく違うため、小学校入学当初は、子どもたちが新しい環境で、安心して生活や学習に取り組めるよう幼児期の学びを踏まえた工夫が必要です。
しかしながら、議員ご案内のとおり、就学前施設における子どもたちの学びに関する小学校教員の状況把握には改善の余地がございます。
今後のよりよい改善に向けて、昨年度より就学前と小学校の円滑な接続を図ることを目的として、就学前施設の教職員と小学校1年生担当教員、それぞれの代表による情報交流会を実施し、互いの保育・教育や子どもの様子を知り合う機会をもっております。その結果、それぞれの保育・教育の改善の課題やヒントを見出すことができ、小学校入学当初のよりよい対応につながったと聞いております。
現状では、一部の就学前施設と小学校の交流となっておりますが、今後は交流活動を継続・拡大し、交流活動から得た内容を、他の就学前施設や小学校へ周知し、カリキュラムに活かされるようにしてまいりたいと考えております。よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
4.カーボンニュートラルの取り組みについて
(1)市が把握する民間部門でのカーボンニュートラルの取り組みついて
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国は、昨年開催されたCOP26で国際的に2030年の温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減を約束しています。これが難しいとなれば、地方公共団体に対して何らかの温室効果ガス排出量削減ノルマを課してくると考えられます。
また、企業などの誘致においても、カーボンニュートラルへの対応が遅れた地域は、これから不利になると思います。グリーンIoTラボに参加、協力してくれているような大企業などは、すでに環境問題への取組みを開始していますし、それは、そうでないと消費者に選ばれないからです。つまるところ、地球環境問題に熱心でないまちとみなされると、企業からも「選ばれない」まちになってしまいます。
しかしながら、中小企業等ではどこから手を付けたらいいかわからない、とか、大きな設備投資は難しいなどの問題も考えられます。
地球温暖化対策推進法4条第2項によれば、地方公共団体は、自らの事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の量の削減等のための措置を講ずるとともに、その区域の事業者又は住民が温室効果ガスの排出の量の削減等に関して行う活動の促進を図るため、前項に規定する施策に関する情報の提供その他の措置を講ずるように努めるものとする。とあります。
そこで、現在市として民間事業者のカーボンニュートラルの取り組みをどう捉えているか、お答えください。
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本市では、2050年までのゼロカーボンシテイの実現に向け、昨年3月に「ゼロカーボンシテイ宣言」を行い、できることから様々な取り組みを進めておりますが、この取り組みは、当然、行政だけで成しえることではなく、市民の皆様や市内の事業者の皆様方のご協力も不可欠であると考えております。
そこで、ゼロカーボンに向けた取り組みの一つとして、昨年5月には、産学官金が連携した「くわなIoT推進ラボ協議会」、通称、「グリーンIoTラボ・桑名」を設立し、本市における脱炭素に向けた様々な取り組みについて、皆で一緒に検討を行うとともに、様々な情報共有、情報交換を図っております。
議員からご質問がございました民間部門でのカーボンニュートラルの取り組み状況につきましては、現時点では、詳細なデータ等を得ているわけではございませんが、協議会に参加していただいている商工会議所や金融機関、あるいは民間事業者の方々との対話の中での情報としては、いずれの事業者の方々も環境や脱炭素に対する関心は非常に高まってきていると聞いております。
市内でも、大きな事業所であれば、既に、2050年までに再生可能エネルギー使用率100%や温室効果ガス排出実質ゼロを掲げられている事業所もあり、RE100への登録や、事業所、工場への太陽光パネルの設置、あるいは今後設置を検討しているといった事業所もございます。
一方、中小企業等においても、ESGや脱炭素については非常に関心が高くなってきていると聞いておりますが、「何から手を付ければよいか分からない」あるいは「脱炭素化に向け、現時点では多額な投資は難しい」といったお声もあると聞いております。
このような企業に対しては、今後、市や商工会議所、金融機関等がどのようなサポートができるのか、引き続き検討していかなければならないと考えております。例えば、現在、本市が実施している太陽光発電設備等共同購入事業は、小規模事業所の方もお申込みいただくことが可能となっております。
今回、商工会議所のご協力もあり、市内2500の事業所に、この事業のご案内をさせていただいておりますので、些細なことかもしれませんが、事業所に太陽光パネルを設置していただいて脱炭素に寄与していただくといった取り組みを進めていただくことも一つの方法であると考えております。
いずれにいたしましても、今後も、民間事業者等の状況把握に努めながら、市として何ができるのか、皆で一緒にできることはないのかといったことを考えながら、ゼロカーボンシテイの実現に向けて取り組んでまいりますので、よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。
(2)現在の市内の温室効果ガスの排出量は?
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2050年のカーボンニュートラルに向けて、まずは現在の状況を教えていただきたいので、現在の市内の温室効果ガスの排出量を教えてください。
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市内の温室効果ガスの排出量につきましては、現時点では、市独自での算出は行っておりませんので、国が公表しております「自治体排出量カルテ」を参考にしております。
このカルテでは、温室効果ガスの内、その大半を占めるCO2排出量が示されており、最新のデータである2019年度の市内のCO2排出量は約106万トンとなっています。
参考までに申し上げますと、国では、2030年までにCO2排出量を2013年度対比で46%削減することを目標に掲げておりますが、このカルテによりますと、本市の2019年度のCO2排出量は2013年度対比で18%削減となっております。
今後、ゼロカーボンシテイの実現に向けた取り組みを進めていくためには、現時点でのCO2排出量の算出や今後の目標値を定めた計画を策定することが望ましく、国においても「地球温暖化対策実行計画(区域施策編)」を各自治体が策定することを推奨しております。
この「地球温暖化対策実行計画」の区域施策編につきましては、桑名・員弁広域連合と2市2町が、今年度から2か年をかけて策定する次期「桑名・員弁広域環境基本計画」の中で、2市2町それぞれの実行計画を包括して策定することになっております。
この実行計画の中で本市の目標値などを定めていくとともに、既に本市が実施してきたCO2削減の取り組み、例えば、市役所本庁舎への再生可能エネルギーの導入で年間約450tのCO2削減効果といった実績を積み上げながら、最終的には2050年のカーボンニュートラルを目指していきたいと考えております。よろしくご理解賜りますようお願い申し上げます。