議会報告

一般質問・議案質疑

令和2年12月定例会で代表質疑を行いました

2020年12月15日の本会議において、会派を代表して市長の3期目の所信に対し代表質疑を行いました。

目次

質問内容

  • 1.市長の所信について
    • (1)新型コロナウィルス感染症対策について
      • ①感染拡大防止対策について
      • ②地域経済対策・生活支援について
      • ③感染後のケアについて
    • (2)防災力の強化について
      • ①国土強靭化の推進と国・県との連携について
      • ②津波避難誘導デッキの整備状況について
    • (3)スマート自治体への転換について
      • ①DX推進のための組織体制について
      • ②ICTを活用した新しい行政サービス
      • ③これからの地方自治の目指す姿について
    • (4)安定した財政基盤の確立について
      • ①企業誘致への取り組みについて
      • ②大山田PAのスマートインターチェンジ化の取り組みについて
      • ③アクセス道路の整備について
    • (5)SDGsの理念の実現に向けた「新しい福祉のかたち」について
      • ①多世代共生型施設(仮称)福祉ヴイレッジの整備状況について
      • ②公民連携のスキームを含め、桑名市の目指す福祉のかたちは?

一般質問を動画でご覧ください

桑名市議会HPで公開されている本会議の動画へのリンクです。
動画は全体が1本の動画で公開されているので、質問内容と時間の目安を記載しました。

<00:00>
1.新型コロナウィルス感染症対策について
<16:35>
2.防災力の強化について
<28:15>
3.スマート自治体への転換について
<42:06>
4.安定した財政基盤の確立について
<51:56>
5.SDGsの理念の実現に向けた「新しい福祉のかたち」について

質問と答弁の内容

<00:00>
(1) 新型コロナウィルス感染症対策について

質問に先立ち、以下の提案をしました。
このコロナ禍の中で「ソーシャル・ディスタンス」という言葉がすっかり定着したように思うが、直訳すると「社会的距離」になる。しかし、こういうときだからこそ社会的にはしっかり繋がることが必要なのではないか。
WHO(世界保健機構)も、この「ソーシャル・ディスタンス」という言葉は「人と人との社会的なつながりを断たなければならない」との誤解を招きかねず、社会的孤立を生じさせる」おそれがあるということで、「身体的、物理的距離の確保」を意味する「フィジカル・ディスタンス」という言葉に言い換えるよう推奨しる。これは桑名市でも検討してもいいのではないか。

① 感染拡大防止対策について
経済活動を継続しつつ、感染拡大を防ぐためには、検査体制のさらなる拡充が必要だと思うが現在の本市での検査体制は十分確保できているか?
検査体制における民間医療機関との協力体制は?

② 地域経済対策・生活支援について
プレミアム付き応援食事券の速やかな発行や、キャッシュレス決済還元キャンペーンや現在実施中の得トク商品券など、機動的に数々の対策を実施し、地域経済を回すという目的での経済対策はうまくいったと思うが、今後の経済対策で重要視するポイントは?

③ 感染後のケアについて
とにかく人権対策をしっかり行ってほしいが、人権対策だけではなく、感染してしまった方が、スムーズに感染前の生活に戻れるような支援を求める。後遺症により職場復帰できず、職を失う例もあるようだが、感染後のケアは?

<市長>

市としては、これまでも県・医師会・医療機関等と連携し、取組を進めてきたところだが、今後はこれまで以上に、市民の命を守り、暮らしを支えるための取組を行っていかなければならないと強く感じている。

①感染拡大防止対策について
まず、感染拡大に備えた検査体制を確立するため、桑名医師会にご協力いただき、応急診療所にPCR検査センターを設置した。現在も、桑名市総合医療センターと分業して検体採取を行っており、昨今の感染者が増加する状況に充分に対応することが可能となっている。
また、高齢者インフルエンザ予防接種事業については、実施期間を昨年度より半月早め、10月1日から開始し、自己負担額を無料として接種しやすい環境を整備することで、秋から冬にかけて流行する季節性インフルエンザとコロナウイルス感染症の同時流行に備えている。
更に、同時流行の備えとして、医療機関を支援し、できる限り多くの発熱患者の診療を可能とするため、三重県から「診療・検査医療機関」の指定を受けた市内医療機関が、発熱等の患者に対して診療を行い、新型コロナウイルスの検査を行った場合、医療機関に対して、診療体制整備負担金を支払うことができるよう準備を進めているところであり、これによって、同時に検査数の増加も期待できるものであると考えている。また、今後、感染拡大防止と地域経済対策を両立させるためには、全国民がワクチン接種を行うことが重要となってくる。ワクチンの有効性と安全性が確認され、供給が可能になった際、迅速に住民の皆様に接種を受けていただけるよう、しっかりと準備を進めていきたい。

②地域経済対策・生活支援について
経済対策によって、悪化した業績の回復を支援する、という基本的な想いに加えて、アフターコロナを見越して、競争力の強化につながる活動を支援したいと考えている。単なる補助金や支援金などの支給を、経済対策の中心にするのではなく、競争力を強化するために「次につながる支援」「アフターコロナでも役立つ支援」を中心に、経済対策を進めてきた。
今後の対策については、第3次補正予算の詳細が判明していないので、国の動向を見ながら検討していくことになるが、単なる補助金や支援金などの支給を、経済対策の中心にするのではなく、これまでと同様、アフターコロナを見越した対策を指示したい。
なお、中・長期的な事業者支援策として、地域の関係機関と、事業承継問題への対策について、協議を始めているので、可能な限り早期に対策を図っていきたい。
いずれにいたしましても、地域の経済団体としっかり連携を図りながら、この地域が安定的に発展していくよう、必要な対策を、必要なタイミングで取り組みたい。
次に、生活支援について、新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた当初から、市民の皆様の生活を守るため、市といたしましても、これまで様々な支援策に取り組んできた(市税の納付猶予、国民健康保険税の減免、水道基本料金2期分の無料化、行政書士会によるコールセンターの設置など)。
また、新型コロナウイルス感染症の影響に起因する離職等に伴い、お住まいを失う恐れのある方等に対する住居確保給付金、生活福祉資金の活用は、まさに瀬戸際に追い込まれた多くの方々への支援につながった。先般、私はたくさんの市民の皆様の声を直接、聴かせていただく機会があったが、皆様のどこへもぶつけることができない苦しい思いを肌で感じた。そうした市民の皆様の中には、仕事を失うなどによって、経済的困窮に陥られた方はもちろん、非正規雇用のため収入が不安定な方、シングルペアレントの方、障害のある方など、より新型コロナウイルス感染症の影響によるダメージを大きく受けてしまう心配のある方々がたくさんいる。そういった様々な状況の皆様、お-人お一人の状況をしっかりと把握し、まさに誰一人取り残さないという強い信念を持って、寄り添った支援を行っていかなければならないという思いを一層強くしている

③感染後のケアについて
感染された方への対策としては、感染された方への人権対策を行っていくとともに、感染後、尚、健康面での不安を持たれている方の相談にしっかりと対応し、適切な助言ができるように努める。

いろいろな経済対策を打っている一方で、困窮世帯からは、「商品券やPayPayなど、そもそもお金を使える人にしか支援がいかない。自分たちは取り残されているんじゃないか」という切実な声も聞いている。
そういった方たちに寄り添って、コロナ禍の中でご苦労もしながら、支援活動をしている方が桑名にもたくさんいる。
本当に困っている人に支援の手が届くように、とくにシングルペアレント家庭の子供たちへの支援は将来の桑名を支えるためにも欠かせないので、きちんと支援が届くように、そういった団体への支援や連携により、生活に困難を抱える方への支援を行ってほしいということを申し添えました。

<16:35>
(2) 防災力の強化について

①国土強靭化の推進と国・県との連携について
とくに、市民の関心も高い、伊勢大橋の架替の状況、海岸・河川堤防の耐震整備の状況は?

②津波避難誘導デッキの整備状況について
今後に向けて現在の進捗状況は?また、このデッキですべての地域住民を救えるわけではなく、完成前に災害が発生する可能性もある。災害が起きたときに-人の犠牲者も出さないために、地域を超えた広域避難が必要だと考えるが、広域避難の推進に向けた取り組みはどうなっているか?

<都市整備部長>

① 国士強靱化の推進と国・県との連携について
伊勢大橋架け替えは、現在、橋脚15基の内、11基が完成し、今年度は、更に3基を着手しており、完成に向けて着実に事業が進んでいる。この架け替え工事により、渋滞解消による長島地区と桑名地区との円滑な行き来が可能となり、非常時における避難経路が確保される。市としても、毎年国への要望活動を行っている。
河川・海岸堤防については、国が管理する木曽三川について、沿川市町である桑名市、海津市、愛西市、弥富市、木曽岬町の5市町で構成する「木曽三川下流改修工事促進期成同盟会」を結成し、毎年、国への要望活動を行っており、主な事業として、木曽川右岸における堤防の液状化対策工事を実施してもらっている。
また、三重県においても、桑部橋付近の員弁川改修や県管理河川の浚渫、城南海岸耐震対策や上野地区における急傾斜地崩壊対策等の事業を進めており、毎年、三重県への要望活動を行っている。
その他、近年、激甚な水害が頻発し、今後も気候変動による水害の激甚化、頻発化が予測されることから、木曽川水系の流域全体で水害を軽減させるハード・ソフト事業での治水対策を計画的に推進することを目的に、国、愛知・岐阜・三重の3県及び沿川市町で「流域治水プロジェクト」の策定が進められており、広域的な連携を図っていく。

<理事(防災・危機管理担当)>

② 津波避難誘導デッキの整備状況について
現在、「桑名市津波避難施設整備事業設計施工一括発注・公募型プロポーザル」として、優先交渉権者の選定を進めている。実施にあたっては、施設の安全性や避難の確実性、施設建設・管理の経済性などに加え、令和4年12月までとしている事業期間につきましても、改めて工期を設定し、提案するよう求めている。順調に進めば、来年早々には仮契約を締結し、3月議会には、工事請負契約の議案を提出させていただきたい。
しかしながら、津波避難施設は、地震とともに浸水が始まってしまった場合や、何らかの事情により避難することができなかった場合の、まさに目の前の命を救うための最後の砦として整備するものであります。施設が完成するまで地震は起きないという保証もどこにもなく、やはり、基本的な津波避難対策、「少しでも浸水地域から遠く、高い場所に逃げるための対策」を着実に進めることが何よりも重要と考えている。
新型コロナウイルス感染症の影響から、いくつかの自主防災訓練が中止となった中、10月18日に海抜ゼロメートル地帯の長島中部地区の皆様が、星見ヶ丘地区の皆様が「星見ヶ丘小学校」に開設した避難所に避難するという、桑名市において初めての合同防災訓練が行われた
市としては、必要な施設整備は着実に進めつつも、こうしたソフト面での取り組みを各地域に根付かせることが大切と考えており、今後も積極的に各地域への支援を行うとともに、地域の実情に応じた避難対策について啓発を行ってまいりたい。

<28:15>
(3) スマート自治体への転換について

先の市長選でも、特に高齢者を始めとしたスマホを使っていない方やネット環境のない方が取り残されるので、慎重に進めるべきだという議論もあった。しかし、今後職員が減っていく中で住民サービスの維持・向上を図るためには、デジタル化によって抜本的に業務を再構築することが不可欠である。一定の配慮は必要だが、それとデジタル化の手を緩めることとは次元が違う。


①DX推進のための組織体制について
このコロナ禍で接触機会を減らすというだけではなく、今後職員が減っていく状況の中で、住民サービスをより充実させていくためにも、このDX(デジタル・トランスフォーメーション)は強力に推進する必要があるが、そのうえで重要なポイントを以下のように考える。
これを踏まえて、DX推進の体制はどのようにお考えかお聞かせください。

  1. 市長からのトップダウンでプレずに推進する体制。新しい技術・環境に対しては職員の中でも不安や抵抗を示す人が出てくると思うが、そういう中でも確実に前にすすめていくために、しっかりと市長のトップダウンで進めていただきたい。
  2. 将来を見据えて内部での人材育成も重要だが、いま求められているスピード感や専門性を考えると、まずは民間からの人材登用も視野に組織を検討してもらいたい。
  3. 今の若い職員はすでにネオ・デジタルネイティブとも言われる世代に入ってきている。そういった世代の感覚も取り入れていただきたい。

外部的な面で他の自治体と連携しての自治体クラウドの活用についてはどのように考えているか?
すでに全国でいくつかの自治体のグループが、クラウドの運用を始めているが、大部分の自治体でシステム関連費用において30%以上のコスト削減効果があったとしている。
本市の場合、「行政情報化事業費」を合計すると、今年度の当初予算で4億8百50万円にのぼっており、これが3割削減できれば毎年1億2千万円もの削減効果が期待できる。
外部との体制として、自治体クラウドの活用はどう考えているか?

②ICTを活用した新しい行政サービス
他市ではスマートフォンで道路にできた穴や、公園の遊具が壊れている、といった情報を行政に直接伝えるアプリを活用している例があり、市民からの通報だけでなく、対応したあとの写真も掲載することで住民にも経過がわかり、自分が言ったことに行政が対応してくれたという、住民の満足度もあがるような仕組みになっている。
そのような新たな取組についての検討状況は?

③これからの地方自治の目指す姿について
上記のアプリを使ってみて、自分のアクションによって、まちがきれいに、良くなっていくという実感を持つようになり、それがきっかけで道路だけでなく、街のいろんなことが気になりだした、という話を聞いた。
このように、新しい技術を活用して、市民一人ひとりにとって、自分が住むまちのことを他人事でなく自分ごとに変えていくような取り組みが必要だと思う。こういうことが市長が就任当初から目指している「全員参加型市政」の推進にもつながると思うが、新しい技術を活用したこれからの地方自治の目指す姿をどのように考えているか?

<統括監兼市長公室長>

①DX推進のための組織体制について

スマート自治体への転換は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、人と人との接触の機会を低減するばかりではなく、市民の皆様にとってより便利なサービスを提供するための仕組みでもあり、行政のあらゆる場面で、DXを推進の取り組みを強化してまいりたい。

組織整備には、若い人材を新たに登用することも必要ではあるが、まずは庁内の若手職員の意識改革を進めることが、DX推進に繋がるものと考えている。また、民間からの登用については、現在もシステム管理を中心に外部に委託をしているところだが、今後のDX推進にあたっては、これまで以上に民間の持つ専門知識が必要になると考えている。
今後は、どのように民間の専門知識を活用することが良いのか検討を進めていきたいと考えている。

その他、現時点ではクラウド化に関しての影響額などを試算するまでには至っていないが、国において、来年の通常国会への法案提出に向けて、住民記録などの情報システムの標準化を自治体に義務付けるという方針が検討されており、今後、国の動向を注視しながら適切に対応していく。
また、標準化の対象ではないシステムの導入の際には、新たに市独自のシステムを構築するのではなく、クラウド型のサービス方式や共同利用に関しまして、検討を行ってまいりたい。

いずれにせよ、DX推進にあたりましては住民サービスの利便性向上・効率化と、内部事務の効率化という視点が必要であると考えており、組織体制を整えていく上でも、市長が先頭に立ち、職員の育成と民間の専門知識を取り入れ、早急に体制整備を行うとともに、さらなる行政サービスの向上に取り組んでいく。

②ICTを活用した新しい行政サービスについて
③これからの地方自治の目指す姿について

新たな行政サービスとして、今年度、LINEを活用し保育所入所申請を実施し、多くの方にご利用をいただいた。その他に、オンラインでの住民票の写しの請求及び検診予約に関して、今年度中の開始に向け準備を行っている。
自宅に居ながらスマートフォン等を利用して手続きをしていただけるサービスを導入することで、利便性の向上に大きく寄与するものと考えている。

今後、デジタルを活用した行政と市民との双方向での取り組みについても、DX推進における課題として、全員参加型市政として市民の皆様が行政参加していただける方策についても、検討を行ってまいりたいと考えている。

<42:06>
(4)安定した財政基盤の確立について

①企業誘致への取り組みについて
実施すべき重要な事業を推進していくためにはしっかりと財源を稼げるようにすることが必要。そのためには市内の事業者に収益をあげて稼いでもらう、企業誘致で地域経済に新しい血を入れていく必要がある。
誘致のターゲットとして想定しているような業種などはあるか?

②大山田PAのスマートインターチェンジ化の取り組みについて
③アクセス道路の整備について

大山田パーキングエリアのスマートインターチェンジ化の取組の状況は?
あわせて、スマートインターチェンジ化が効果を発揮するためのアクセス道路の整備の計画は?

<答弁(産業振興部長)>
①企業誘致への取り組みについて
都市計画マスタープランの改正によって、生産・物流地域を拡大したことにより、多度南部地区における工業系地区計画の申請可能区域も拡大した。
この地区の企業誘致状況としては、物流関連企業の進出が増加している。この地区においては交通利便性の高さや、災害リスクが低いこと、広大な区域が開発可能となっていることなどが、立地先を調査する企業のニーズに合っているのではないかと思われる。

市全体で考えると、バランスのとれた産業構造を目指し、IT・デジタル関連企業や、グリーン化を促進する脱炭素化企業やゼロ・エミッション企業など、政府がこれからの成長産業として位置付ける業種の、企業誘致についても積極的に推進して参りたい。

<都市整備部長>
②大山田PAのスマートインターチェンジ化の取り組みについて
パーキングエリアにスマートインターチェンジを設置するには、国による新規事業化の許可が必要となるため、現在、国士交通省及び三重県との事前相談の中で、設置の必要性についての協議を行っている。
今後の流れとしては、周辺道路の現況を調査し、整備方針を策定するなど「広域的な検討」を行い、インターチェンジの利用交通量や位置・構造、周辺道路整備計画などの「概略を検討」し、インターチェンジ及び周辺施設の詳細設計や整備に係る費用及び負担区分など「詳細を検討」することとなる。
その後、事業化に向けて、国・関係機関・市などで組織する地区協議会を経て実施計画の策定及び提出を行い、国から整備計画の決定がなされましたら、スマートインターチェンジの実現に向け取り組むこととなる。
③アクセス道路網の整備について
当該スマートインターチェンジへのアクセスに関しては、当面の間、都市計画道路大山田播磨線から市道坂井多度線を経由して、新たな道路網の整備を進めることとし、中長期的には、陽だまりの丘北部に計画されております都市計画道路桑名北部東員線の整備を進めて参りたい。
また、多度南部エリアに企業立地が進むことで、下野代地区及び嘉例川地区での交通量の増加による影響等が危倶されることから、国道258号を経由して東側からアクセスする県道御衣野下野代線と、国道421号を経由して西側からアクセスする県道四日市多度線の2路線について、三重県により本年度から測量・設計に着手いただいており、引き続き県と連携を図りながら当該2路線の整備を進めて参りたい。

<51:56>(5)SDGsの理念の実現にむけた「新しい福祉のかたち」について

①多世代共生型施設(仮称)福祉ヴィレッジの整備状況について
今回の所信表明では、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会の実現にかける市長の思いを改めて強く感じた。私も議員として最初の一般質問で、このSDGsの誰ひとり取り残さないという理念の重要性をとりあげたが、この「誰ひとり取り残さない」という言葉の重みを実感し、市長の決意のほどを強く感じている。

(仮称)福祉ヴィレッジが掲げる「多様性」と「包摂性」、さらに「地域との共生」というテーマは私としても「誰一人取り残さない」社会の実現に欠かせないものと考えているが、その実現の第1歩とも言える福祉ヴィレッジの整備状況は?

②公民連携のスキームを含め、桑名市の目指す福祉のかたちは?
10月に掲載された日経新聞社が行った介護・高齢化対応度調査の結果では桑名市は全国で22位と非常に高い評価を得ている。ここから介護・高齢者福祉でトップ10、ナンバーワンを目指してほしい。

そのためには職員一人ひとりが想像力をフルに発揮して市民と接することだと思う。高齢者だけでなく、障がい者の方や生活困窮しているかた、そしてなにより自分では声を上げることができない子どもたちなど、「誰人取り残さない」社会の実現に向けて、新しい福祉のかたちというのはどういうものを目指しているのか?

<答弁・保健福祉部長>
①多世代共生施設(仮称)福祉ヴィレッジの整備状況について
本事業は、国が提唱している「地域共生社会」の実現に向けたモデルとなるべく、多世代交流・多機能型の福祉拠点の整備を促進するものである。「地域共生社会」は、「インクルーシブ(包摂的)」「ダイバーシテイ(多様性)」とともに、本事業における重要なキーワードであり、誰一人取り残さないというSDGsの実現につなげるためには、これらを具現化することが非常に重要になってくる。

施設の整備状況について、現在、社会福祉法人桑名市社会福祉協議会において設計が行われており、施設の配置や各室の間取りが概ね決まってきている。
また、一体的に整備する公園の設計は、市において行っており、こちらも施設の配置や内容が概ね決まってきている。

今後のスケジュールは、設計業務が完了したのち、令和3年度に、社協及び市においてそれぞれの施設の整備を進め、合わせて現在の主な施設の事業移管を行いまして、令和4年度からの運営開始を目指している

②公民連携のスキームを含め、桑名市が目指す福祉のかたちは?
福祉ヴィレッジでは、養護老人ホームと保育所が隣接することによる、高齢者と子どもの交流、児童発達支援センターと生活介護事業が同じ施設の中で運営される、切れ目のない障害福祉サービス、児童発達支援センターと保育所による、相互の情報共有や円滑な連携などが行われる予定である。
また、併設する公園には、地域交流スペースを設けるので、地域住民と施設の利用者・保護者などが利用することによって、交流が生まれることも期待される。これらは、先ほど申し上げた「地域共生社会」の理念にかなうものであり、このような活動を市全体に展開していくことが大切になってくる。

福祉の分野におきましては、高齢者、障害者、子ども、生活困窮世帯など、様々な対象の方がおられるが、支援が必要な方々の分野や、支援する人・される人という立場で分けるのではなく、地域住民や多様な主体が参画して、地域をともに創っていくという観点から、自治会をはじめとしたコミュニテイや事業所、ボランティア、NPOなどが、公的なサービスと補完し合うような仕組みを目指していくことが必要であると考えている。

このような目指すべき姿は、具体的になるにつれて明確になってくる面があるが、多世代共生型施設がそのモデルとなるよう、施設の運営開始後の展開もしっかりと推進していかなければならないと考えている。

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